第3回 「真夜中の殺し屋ラーメン屋時代屋」 99/10/3更新

そのラーメン屋の常連で中肉中背のスポーツマンタイプのやつを見たことがあるのかい?

そのラーメン屋のスープは子豚や魚や鳥なんかの小動物の死骸をかき集めて、 残酷なことに何日もそれを煮て作っているんだぜ。
とても業の深いラーメンだ。

やつが週6日、世間が寝静まった真夜中に、一人黙々とラーメンを作りつづける目的がわかるのかい?

やつの目的は日本人をすべからくデブッチョにすることだ。それがやつの使命なのさ。

なぜかって?
決まってるだろう。

デブッチョにしてバカにするつもりなのさ。 それがやつの唯一の楽しみ、生きがいなのさ。 その証拠にやつは自分ではラーメンを食わねえんだ。 家に帰って野菜とか食ってるのさ。

そのラーメン屋のアルバイトを見たことがあるのかい?

初めの頃はスリムなボディをしていたが、 いまじゃあまんまと罠にはまってしまってデブッチョだ。 彼には悪いがあれは相当いっちゃってるぜ。 そういうおれも7キロほどやられてしまってるがなぁ。
うっかりだったぜ。

やつの目的がわかっていればこんなにやられることはなかったのに…。
それに気づいたのはおれとしたことが昨日だったのさ。

きのうの俺が食ったラーメンを知ってるのかい?

スタミナラーメンだ。
おれが注文したのは醤油ラーメンハーフだったにも関わらずだ。

俺の前に差し出されたのはたしかにスタミナラーメンだったよ。
しかも会計のときにはしっかりと醤油ラーメンの値段しか取られてなかったよ。

フン、やつはそういうしたたかなやつなんだ。 したたかに俺を太らせようとしてるんだ。 そして、そろそろバカにしてもいい頃にまで太ったなと思うと、 突然バカにしだすつもりなんだよ。 ほんとに俺としたことがうっかりだったぜ。
まったく、俺としたことがうっかりだったぜ。

だから、これからはそのラーメン屋にいくときは野菜を持っていくことにするぜ。
そして醤油ラーメンを注文するのさ。 ケッ、どうせ何を頼んでもスタミナラーメンが出てくるんだからなぁ。
そして俺は野菜を食べるのさ。人がラーメン屋で濃厚なラーメンを食っているときに、 おれはそいつらの隣で野菜を食べるのさ。
そのぶんだと、やせてしまってしょうがないぜ。元に戻るのに2ヶ月もかからんだろうよ。

でてきたスタミナラーメンは誰が食うかって? それも俺が食べるのさ。なんてったってスタミナラーメンはうまいからなぁ。

ミッドナイト長谷川ロンリージャパン

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