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第8回 「If
you get ・・・」 2000/4/12更新
もしあなたがサイコガンを欲するならば、
何も迷うことはない。今すぐ入道崎に行きなさい。
その地について間もなく、運が良ければ、海藻売りの老婆があなたに近寄りこう問い掛ける、
「おまえの母の一人息子を私はよく知っている。それは実存する存在であり、存在しない。
なぜなら全ての存在は現象であり本来的に意味のあるものではないからだ。
ところで、そもそもおまえは何者か?」
あなたはこう答えなさい。
「あわれでひもじい無知な老婆よ。私は現象であるところの存在だ。
私の存在は他を 介在して実在する現象ではない。 なぜなら私は意味を持たないからだ。
私は気の遠くなるほど遠いところからやってきた座標軸のない「流れ」である。
何回 も死に、何回も生まれた。
そして他の現象と等しく、何回も死に、何回も生まれるだろう。
しかしそれは変化ではない。
普遍である。
ゆえに私に目的はない。定義もなく、また 現実もない。
おお! あわれな老婆よ。
去れ! そして己を顧みよ! 待て! 藻を一袋おいて 行け!」
そして、老婆を追い払ったならば、最も繁盛していそうな食堂で昼食を済ませてしまいなさい。
そして、そこの主人にこう問答しなさい。
「おお主人よ! この小さな古びた食堂の主人よ!!
汝は何故にかくも高価なウニ 丼で暴利をむさぼるのか?」
主人はこう答えるだろう。
「旅人よ! みすぼらしくひ弱な旅人よ。
おまえは救いがたいやつだ。
おまえは こちらが招いてもないのに 私の所有する土地であるところの食堂に勝手に上がり込み、
私の財産であるところの ウニと米をむさぼってしまった。
それに対する懲罰として3000円を徴収するのが私の仕事だ。
それを暴利とのたまうと はいかにもおまえには常識がない。
商いとは懲罰だ。 去れ!
そして金を置いていけ! さもなくばそこで命を絶て !」
あなたは外へ出て、どれでもいい、一番先に目に止まった九官鳥にこう話かけなさ
い。
「九官鳥よ! よく聞け。 「この土地はオレの物だ。ここから先は入るな」と
言っ て囲いをつくり、人々がそれを信じてしまうほど単純であることを発見した一番初めの者が、
この社会 の創始者だった。
もし、そのときに、「人々よ、この男のことを信じてはいけない。土地は誰の物でも なく、産物も誰の物でもない。
そのことを忘れるなかれ。そのことのみが唯一、我々人間が信ずるべきことであるの だ!」と、
勇気を出して叫んだ者があったとしたら、
その人間はそれ以降、いかに多くの悲惨と 恐怖を我々から取り除いてやれたことだろう。
いかに多くの戦争や犯罪がこの世から消えていったことだろう。
いかに多くの旅人がウニ丼で3000円も獲られずに済んだことであろう。鳥よ! おぉ! 鳥よ! 」
そして、ひとしきり鳥と一緒に泣いたならば、 ・・・・・
・・・・このネバーエンディング哲学問答の続きはデルワナワンガーにて(作者)。
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