「お台場カジノ構想」だけでな<、沖縄、宮崎、大分と各地域で「カジノ誘致」への
積極的な動きが出てきている。「ギャンブル=悪」というのは古い固定観念。 『JN』もカジノについてまじめに考えてみた。
明確なルールと透明なシステム、これはカジノ成功の必須条件だ
資本主義自体がギャンブルのようなもの。自己責任でそのリスクをとる 「地域活性化の切り札としてのカジノ」という考え方もある。
21世紀の産業はカジノが担う? 現在、カジノは世界114の国で合法化されている。サミット参加国でカジノが認められていないのは、実は日本だけ。だが、「カジノ=ギャンブル=悪」というイメージが強いせいか、
日本でカジノを合法化するための議論は真剣に行なわれてこなかった。 しかし、景気の低迷が続くなか、各地方白治体の財政再建の切り札として「カジノ」が注目されているのは、石原都知事の発言でもわかる通り。加えて、カジノを娯楽の一種として考えられるようになってきたことが「合法化」の議論をあと押ししている。
経済波及効果は、規模にもよるが、仮にラスベガスの半分規模の ものが東京にできるとしても、直接効果、間接効果ともに年間1、5兆円もの規模が期待できるといわれる。関連企業にとっても魅力的な語であることは間違いない。
社会資本の整備のための各種提言を行なっている、社団法人日本プロジェクト産業協議会の一部会、「都市型複合観光施設研究会」では、昨年の春からカジノについての勉強会を定期的に開いている。都市を活性化する手段として、いかに産業としてのエンターテインメントをつくりだしていくかを考えたときに、その話題性、経済的効果などの面から、カジノがぴたりと当てはまった。
参加企業は、建設、不動産、広告会社、金融など各業界から30社ほど。 第一線で活躍している社員たちが送り込まれている。
だが、メンバーのひとりは、「中心がゼネコンさんということもあって、ハコモノ主義的な考えから脱しきれていない。熱心に研究はしているが、政治家や世論を動かすには至っていない」と語る。
明確なルールと透明なシステム --------
「カジノ合法化を議論していくと、地方分権、法律の明確化、政 治の透明性や、市場原理に基づく産業のあり方など、これからの日 本を考えるうえでのさまざまな問題点が露呈してくるんです」
そう語すのは、工ース総合研究所・研究本部長の井崎善治さんだ。 井崎さんは都市計画の専門家で、町づくりの観点からラスベガスを 長年にわたって研究してきた。そこから言えるのは、「厳正で公正な
ルールの下に自由な競争がなければ、カジノは決して産業として 成立しない」ということだ。
カジノの本場、ラスベガスがあるネバダ州では、いまから100 年以上前に合法化された。その背景には、警察予算の大半を違法ギ ャンブルの取り締まりのために費やしていたことがあるという。さっぱり効果のない禁止法のために莫大な資金と労力を使うなら、い
っそ合法化して絶対に脱税できないようなルールときちんと納税さ せるシステムをつくろう、と方向転換したのだ。そして、それを徹底させた結果が、いまのエンターテインメントを楽しめる観光地、
ラスベガスの姿だ。
「カジノを産業として成立させるには、誰が読んでもわかる明確な 法律を制定することです」(前出・井崎さん) つまり、「抜け道」を存在させない。そのときそのときの判断で、
白にも黒にもなるような法律では話にならないのだ。 「法律を遵守してきちんと運営されているか確認する組織も必要です。これは厳正なものでなくてはならない。天下りが横行してい
ては、まったく機能しなくなりますから」(井崎さん) アメリカでカジノヘ参入するには厳しいライセンスが必要だ。癒着のないライセンス取得の部門、法律連守の部門とそれに対して違反
した者を処罰するセクション、これらを公正な独立機関として運営できるのかどうかが問題となる。
この規律、監視、管理に対するアメリカの考え方は、日本の公営 ギャンブルとは比べ物にならないほど厳格だという。
町の活性化の最後の切り札---------------
現在、最も「カジノ誘致」に積極的なのが秋田や石川などの地方。
当然、莫大な地方税を当てにしているわけだが、町の活性化という意味合いも持っている。石川県珠洲市の「珠洲にラスベガスを創る研究会」も、2月にカジノ
実現への協力を促す要望書をしに提出し、健全な娯楽施設などの国際 観光産業誘致に協力を要請した。法案化されてから動くのでは遅い、というわけだ。だが、ここでも問題が生じてくると井崎さんは指摘する。
「国が自分たちの利権を最大限確保しようという発想のはず。 そうなると地域振興としてカジノタウン構想を捉えている地域とは 調整が難航するでしょう」
2,3年では難しくとも、10年というスパンで見れば、非現実的な話 ではないカジノ合法化。そのあり方について検討をしないまま、単純に 「ギャンブル=悪」として切り捨てることはできない。このカジノ合法化
をめぐる議論は、そのままいまの日本の問題を考えることでもあるのだから。
「カジノは本当に悪なのか?」をとことん話したい! ---------------
カジノ合法化を目指し、今年4月にマスコミ関係者のネットワーク 「2I世紀エンターテインメントを考える会」が発足した。単なる カジノ好き、ギャンブル好きだけでなく、それぞれの理由でカジノヘの
思い入れを持った人間が集まっている。まずは、HP「カジノミーティング」 を開設し、賛成、反対も含めてもっとカジノについての議論を盛り上げいく、
というのが当初の目論みだという。
事務局の代表は、博報堂『広告』の編集長でもある池田正昭さんだ。 「私白身、カジノをやりたいと思っているわけではないんですよ。ですが、 『ギャンブルはよくない、犯罪を増加させる』という、一方的な言説にすごく
抵抗があるんです。そもそも株式市場に代表される、資本主義経済自体がギャンブルのようなもの。そこでは常にリスクを自分でとらなければならない はずです」
それはまさにカジノにも当てはまること。 「きちんと合法化して、正当に根付かせる。禁止するのではなく、それを いかに成功に導くかが課題だと思うんです」
間題意識を共有しにくいからこそ、これからどんどん議論をしたいそうだ。
僕らの町にカジノを作る!-------
------------−秋田県「トトカルチョマッチョマンズ」
秋田県では、20代の若者が中心となって、自分たちの大事な町 を自分たちでつくっていこうという試みがなされている。 秋田県の現状は、日本で最も危機に瀕していると思います。若者が本当にいないんです。24年後には人口が100万人を切るという数字も出ているくらいなんですから」
と話し始めたのは秋田県を自分たちで変えようという若者の集まり、「トトカルチョマッチョ マンズ」代表の長谷川敦さんだ。
「僕たちや子どもがこれからも住み続けていきたくなる町をつくりたい。 単なる箱をつくって雇用を確保するだけでは若者は留まってくれません。
本当に魅力ある町にするために僕たちは“イーストベガス構想" を5年前に提案したんです」
長谷川さんたちは、「秋田にラスベガスをつくろう!」「本質的な魅力 を持った町にしよう」と、空港周辺にカジノタウンをつくるなどの計画 を練っているのだ。しかし、最初のうちは誰からも相手にされなかったという。それでもあきらめずに具体的な提案をし続けてきた。
「最近ようやく僕らの言ってきたことが単なる夢ではなく、現実を踏まえた考えであることが分かってもらえるようになってきました」
今後も、積極的にイーストベ ガス構想を推し進めていく考えだという。
「いまこそ若者が立ち上がらなければ未来はないと思います。イーストベガス構想は必ず実現させてみせますよ」
カジノタウン構想は、行政主導でなく若者の熱き思いと行動力から生まれてこそ意味がある。10年後の秋田県が楽しみだ。
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